医師507名に「災害医療」に関するアンケートを実施

事業場向け産業保健支援、医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』の登録医師のうち507名に「災害医療」に関するアンケート調査を実施しました。

■ 調査背景

災害大国といわれる日本では、近年、大規模な地震だけでなく、豪雨や台風による大災害も頻繁に起きています。そのような日本において、自然災害の発生時の救助や手当はもちろん、避難所での診断や処置など、災害時に不可欠となる「災害医療」。この「災害医療」について、現場で対応をおこなう医師はどのような考えをもっているのでしょうか。勤務先の災害への対応状況と、医師の考えについて調査しました。

■ 調査結果のサマリー

〇 勤務先の災害対策について
約半数の医師の勤務先で災害に備えるための研修や訓練「実施」
・勤務先の災害対策マニュアル等が不十分と感じる医師は6割以上
〇 災害医療への関わりについて
・災害医療に関わりたいと感じている医師は75%
約6割の医師が「救急医以外の医師も知見を習得すべき」

勤務先の災害対策について

1. 約半数の医師の勤務先で災害に備えるための研修や訓練「実施」
勤務先で災害に備えるための研修や訓練を「実施している」と回答した医師は46.4%となり、5割近くの医療機関で災害に備えるための研修や訓練がおこなわれている結果となりました。反対に、37.3%の医師は「実施していない」と回答する結果となりました。

2. 勤務先の災害対策マニュアル等が不十分と感じる医師は6割以上
勤務先の災害対策やマニュアル等の整備・周知状況について、「不十分である」と回答する医師は33.1%、「やや不十分である」と回答する医師は32.0%となり、6割を超える医師が「不十分」と感じている結果となりました。

この「不十分」と感じる理由として「火災による避難訓練のみ実施され、それ以外は対応していない。[50代/一般内科/勤務医(民間病院)]」「看護師などの入れ替えが激しく周知されていない。[40代/一般内科/勤務医(民間病院)]」「非常勤医師が多い施設では、方針やマニュアルが浸透していない。[50代/麻酔科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス)]」というコメントが見られました。

災害医療への関わりについて

3. 災害医療に関わりたいと感じている医師は75%
今後の災害医療の関わり方について、「勤務先で活動が必要となった時は適切に関わりたい」(60.4%)、「勤務先以外における活動も含め、積極的に関わりたい」(14.6%)となり、75%の医師が災害医療に「関わりたい」と感じている結果となりました。

「関わりたい」理由(フリー回答)
・地域の医療人としての義務として。
 [60代/一般内科/開業医]

・災害医療への医師の関与は必須で、医師の評価を高める。
 [60代/小児科/勤務医(民間病院)]

「関わりたくない」理由(フリー回答)
自分の病院をおろそかにして、被災地医療まではできない。自分の病院を休診にできない。
 [60代/小児科/勤務医(民間病院)]

・家族を守ることを最優先にしたいため。
 [40代/一般内科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス)]

・65歳を過ぎているので、必要性は認めるが、体力的に無理である。
 [60代/小児科/勤務医(民間病院)]

4. 約6割の医師が「救急医以外の医師も知見を習得すべき」
今後の災害医療に関わる医師の育成について、「救急医以外の医師も知見を習得すべき」(58.6%)という回答が最も多く、次いで「災害医療を専門とする医師を育成すべき」(21.9%)「救急科を専門とする医師が兼務で担うべき」(18.7%)が続く結果となりました。

■「習得すべき」と感じる理由(フリー回答)
・これだけ大規模災害が発生する時代。専門知識以外の部分は皆で手分け可能なようにしていくべき。
[50代/眼科/勤務医(非常勤のみ、フリーランス)]

・いつ、どこで、どんな災害が起きても慌てないよう、想定外の事態にも臨機応変に対処できるよう、日頃から訓練は必要。
[70代以上/一般内科/勤務医(健診施設や老健など)]

・多くの医療者が必要になる。いつ、震災が周囲に起きるか分からない。
[60代/呼吸器内科/勤務医(診療所・クリニック)]

調査結果のサマリー

・「災害医療」に関するアンケート
・調査対象:株式会社エムステージが運営する『Dr.転職なび』『Dr.アルなび』に登録する会員医師
・調査日:2024年2月20日~2024年2月27日
・調査方法:webアンケート
・有効回答数:507

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