新たな領域へのチャレンジのために「心・技・体」を鍛錬し抜く。産業保健プランナーの矜持

日増しに重要性が認知されゆく「産業医」。その産業医と企業とのマッチング、そして企業の産業保健の支援を行っているのが、「産業保健サポート」を提供するエムステージの産業保健事業部です。
今回は、産業保健の課題を抱える企業へ、課題の洗い出しから 「産業保健サポート」 のご提案を行う「産業保健プランナー」の木村さんにインタビューを敢行。はじめて関わる領域へのチャレンジ、自身の仕事への想いにせまりました。

産業保健事業部 木村さん
2010年エムステージに入社。医師人材総合サービス事業において、キャリアプランナーとして主に中部・東海エリアの常勤医師の転職支援を担当。2014年には年間MVPプレイヤー賞を受賞し、名古屋支社長に就任。2017年10月に産業保健事業部の産業保健プランナーとしてキャリアをスタートさせている。

ミッションは産業保健支援の地方展開

――まずは、産業保健プランナーの仕事内容を教えてください。

企業に対し、産業保健における課題解決をご提案するのが産業保健プランナーの仕事です。当社にお問い合わせいただいた企業へ訪問し、ご担当者様との打ち合わせの中でその企業の課題を浮き彫りにし、それを解決できる形で当社サービスを提案します。ご契約後も産業医のご紹介、年間プランの組み立てと初回訪問への同行を経て、当社コーディネーター(サービス運用のサポート担当)へ引き継いでいきます。

――木村さんは2017年10月に産業保健プランナーになりましたが、それまで常勤医師の転職支援を担当していたところから、フィールドも、相対するクライアントも変わりましたよね。

そうですね。事前に社長から「名古屋支社で産業保健プランナーを」と打診があったときには、興味があると伝えました。実際のところは楽しみ半分、不安半分といったところ。元々、新しいことへのチャレンジは好きなんですけどね。

私がジョインするまで産業保健事業部は東京本社にしかなくて、私が地方展開の鍵を握っているというプレッシャーもありました。ですが、実際に企業へ訪問を重ねる中で、産業保健に関する悩みを抱えるご担当者様の声をリアルに聞いて、このニーズに応えていきたいと強く感じました。私たちのサービスでそれができるとも確信しましたね。

――新たな領域へのチャレンジのために、木村さん自身が工夫したことはありますか?

産業保健領域をイチから勉強する必要があったので、書籍を読んだり、著名な先生の講演を聴講したり、産業医の先生と飲みに行って話を伺ったり……結構がむしゃらです。ただ、振り返ってみると工夫していったことは「心・技・体」に帰結しているな、と。

成長のために磨いたものは「心・技・体」

――「心・技・体」ですか。

はい。まずは「心」でいうと、一流の営業マンの思考の在り方を学んだんです。見えてきたものは「お役立ち精神」。ただ単にサービスの説明をして売上を上げるということではなく、目の前のお客様が何に困っていてどうすれば解決できるのか。その中で自社のサービスが役立つならどう活用すべきなのか、と考えるのが一流だと。私も「お役立ち精神」で動く産業保健プランナーであろうと意識しています。

――「技」ではどのような工夫をしているんですか?

課題解決のための提案のスキルを磨いています。現状と欲求を把握し課題を浮き彫りにする。そしてその解決策として当社のサービスをご提案し、目の前のご担当者様に合う活用方法を考える。先ほどの「お役立ち精神」にも通ずるところがありますね。

どうやって「技」を磨いていくかというと、毎日の振り返り。日々企業へ足を運び、ご担当者様と会話をしていくと、もちろん上手くいくことばかりではないわけです。それをそのまま流してしまうのではなく、一日の終わりに上手くいったこといかなかったことを振り返って深掘りしていく。「上手くいかなかったなー」で終わるとしんどい一日になってしまうけれど、ちゃんとその日のうちに今後の行動に展開して腹落ちさせると、毎日がハッピーになりますよ。

――日々仕事に追われているとなかなか難しそうですが、継続すれば確実に磨かれますね。やり抜いていること自体がすごいです。それでは、「体」とはどのような工夫ですか?

健康管理です。2018年前半に受けた健康診断では体重82㎏、BMI27.7、LDLコレステロール・尿酸値が異常値というお恥ずかしい結果だったのですが、今は体重69kg、BMI23.3!暴飲暴食をきっぱり止めて食事制限し、週2回ジムに通って達成しました。

仕事のパフォーマンスをあげるためというのももちろんありますが、何と言ってもクライアントの健康的な働き方をプランニングする以上、自分自身が手本となり得る健康を手に入れるべきだと考えました。

ご担当者様に課題を「吐露」してもらう

――私だったら三日坊主になりそう。またしてもやり抜く意志の強さを感じます。
「心・技・体」を磨いてチャレンジしている産業保健プランナーの仕事ですが、木村さんはどんなプランナーでありたいですか?

前述したように「お役立ち精神」で行動するプランナーでありたいです。物売りではなく、「プランナー」であり「アドバイザー」であり「コンサルタント」としてご担当者様に対峙します。

あと、対企業ではなく、常に目の前のご担当者様に向き合おうとしています。目の前にいる人事や総務、健康診断を担当されている一人のビジネスパーソンが、組織にどんな課題を感じているのか。一人ひとりに向き合って課題をヒアリングしていくんです。

先ほどから口にしている「課題」も簡単にうかがえるわけではありません。ご担当者様の人となりを知り、心を通わせた会話をじっくりする。ご本人も気づいていないところまで課題を「吐露」してもらうには、信頼関係が必要でしょう。いつも意識しているのは「ご担当者様の素晴らしいところを知ろうとする」ことです。

――企業対企業ではなく、人対人で接するんですね。

課題は企業にあっても、それを吐露してくださるのはご担当者様ですからね。

例えば、最低限の産業保健活動をするための産業医選任を希望してお問い合わせくださった企業に訪問したときのこと。ご担当者様から一時間以上かけてじっくりお話を伺っていると、はじめは「最低限の活動でいい」とだけおっしゃっていたのが、実は休職者の復職対応に困っていたと吐露されました。他にも幅広い業務を行っている方だったので、産業保健について深く考える機会もなく、自分自身本音が見えていなかったようなんです。

私との会話を経て課題を見つけ出し、それをお話ししてくださる。その後解決策をお伝えすると、ご担当者様の表情がどんどん明るくなっていきました。

――粘り強くご担当者様のお話を聞いて、信頼関係を築いていったんですね。

他にも、ある工場へ訪問したときのこと。ご担当者様は社内の仕組みを改革することに熱く取り組んでいる方。産業保健への想いも強いようで、毎月15日に開催している衛生委員会に参加してくださる産業医を求めていらっしゃいました。

しかし、医師のスケジュールは大抵曜日で決まっているので、日付指定は難しいんです。スムーズに運用するには毎月15日で固めることはできそうにない。ただ、そこで無理だと説得するのではなく、理由を聞いてみたんです。

――毎月15日にこだわる理由ですか?

そう。熱心なご担当者様だからこそ、15日にも何か理由があるのかなと。
すると、やはり理由がありました。以前工場で死亡事故が発生していたんです。15日はその方が亡くなられた月命日でした。

事故を忘れないように、二度と同様のことを起こさないように、彼は毎月15日に衛生委員会を開催することに決めていました。結局私はその想いを汲みながらも、産業医の活動が日程調整のせいで継続できなければ元も子もないので、15日の日付指定は隔月で、他の月は産業医のスケジュールに合わせる提案をしました。

事故を風化させないというご担当者様の想いに寄り添いながら、意義ある産業保健活動ができるように整備する。そんな提案ができたのも、ご担当者様の人となりを深く知り、口に出しづらい過去の死亡事故についてまで吐露していただいたからではないかと思います。

――ご担当者様との信頼関係が窺えるエピソードですね。
最後に、エムステージの「産業保健サポート」は、この社会に対してどのような役割を担っていると思いますか。

「健康経営」「メンタルヘルス」「働き方改革」といった文脈の中で、従業員の健康管理の重要性の認識は高まっていると感じますが、緊急性でいうと低く判断されがちです。後手後手に回りがちな産業保健活動ですが、私たちが企業に意義をしっかりお伝えし先行投資として捉えていただくことで、健康的に働ける企業を増やし、社会全体に貢献していきたいです。

私自身も培ったノウハウをチームに共有しながら、「産業保健サポート」をより一層役立つサービスにしていきたいと思っています。

――木村さん、お話ありがとうございました。

木村さんは長く医師への転職支援を担当していたところから、産業保健領域へ飛び込みました。そのチャレンジの裏側には、プロとして「心・技・体」を磨き抜く、仕事への矜持。そしてブレることなく突き進む原動力となる、相対するご担当者様への深い想いがありました。