【5/31は世界禁煙デー】健康的な働き方のロールモデルを目指す、エムステージの禁煙推進

従業員が健康に働き続けられる環境を整えるため、エムステージでは禁煙推進に取り組んでいます。2019年11月には「2019年度の従業員喫煙率14%を、2022年度10%未満へ」の目標を宣言し、取り組みを強化しました。
エムステージグループの禁煙施策と企業が禁煙に取り組む意義について、労務の田中さん、産業保健事業部 産業保健師で日本禁煙学会 禁煙指導認定者の劉さんにお話を聞きました。

株式会社エムステージホールディングス 管理部 労務  田中さん(写真右)
人事総務業務に通算10年以上携わり、2019年エムステージホールディングスに入社。労務担当として産業保健活動を推進している。

株式会社エムステージ 産業保健事業部 産業保健師 劉さん(写真左)
看護師として国立国際医療研究センター病院で勤務したのち、治療用アプリ開発ベンチャーを経てエムステージに入社。企業における従業員の健康管理、予防医療に携わっている。日本禁煙学会 禁煙指導認定者

――2021年度のエムステージグループ従業員喫煙率は「11.7%」でしたね。
  国の掲げる「2022年度の日本の喫煙率12%」を企業として1年前倒して達成したことになります!

田中さん:はい、2019年度の14%から喫煙率を2.3%下げることができました。大きな要因として、改正健康増進法で2020年4月から原則室内禁煙になることに先駆けて、2019年11月から「全面禁煙」を導入したことと、「健康増進ボーナス制度」という禁煙・非喫煙のインセンティブとなる制度を新設したことが大きいと感じています。

―――禁煙費用の補助などの禁煙に取り組むデメリットを解消するような制度はよく聞きますが、禁煙・非喫煙のメリットとなる制度はなかなかないのでは、と感じます。

田中さん:「健康増進ボーナス」は、非喫煙者が健康リスクの早期把握や健康意識を高めるため、各種がん等のオプション検診を1年に2万円まで会社負担で受けることができる制度です。
“がん検診を受けたいと思っていたので、タバコをやめる良いきっかけになった。”、“これをきっかけにずっと後回しにしていた乳がん検診を毎年受けるようになった。”といった声を皆さんからいただいています。

エムステージにはもう一つ「健康増進達成手当」という、非喫煙、有給休暇消化率50%以上、会社規定内の残業時間、無遅刻無欠席、BMI標準値(健診結果)などを年間で達成した場合、年額3万円の達成手当を支給するという制度もあり、 “普段の生活の見直しや健康維持を意識するきっかけになっている。” などの嬉しい声を聞いています。

就業時間中の禁煙についても、“たばこの臭いがしなくて嬉しい。”という声だけでなく“タバコ休憩がないので就業時間内は全員で仕事に一生懸命取り組める。”との声もあり、受動喫煙防止だけでなく社員の志気向上にもつながっていると感じています。

満足とやや満足を合わせて95%の社員が満足と回答

――エムステージの取り組み内容について教えて頂けますか。

田中さん:大きく6つの取り組みを行っています。

(1)受動喫煙対策の実施
出勤してから退勤するまで、残業時間中や外出先等も含めて就業時間禁煙とすることを規定化しています。最終的には全面禁煙規定だけではなく喫煙者の新規採用停止などのより強いレベルの対応を目指して、段階的に取り組みを進めています。

(2)禁煙治療の費用補助
禁煙外来や禁煙治療薬の費用を、1年に上限2万円まで、一人につき3回まで支援しています。社員の金銭的なハードルを下げることで、専門外来や治療薬による効果的な禁煙に取り組むことができます。また複数回利用できるようにすることで、禁煙に失敗しても再度挑戦できるようにしています。

(3)衛生講話でのたばこに関する知識提供
毎月、産業医による従業員の健康維持・増進のための衛生講話を、動画と資料で全社員に向けて発信しています。世界禁煙デーのある毎年5月頃は講話のテーマとして喫煙を取り上げることで、専門家による正しい知識を継続して提供しています。
今年は喫煙者に向けた禁煙セミナーも、禁煙週間にあわせて実施しました。

社内で開催された喫煙者向け禁煙セミナー

(4)禁煙を応援する風土の醸成
禁煙開始時に、「禁煙チャレンジ宣言」を周囲に対して行うことや、エムステージの保健師による喫煙者への個別カウンセリングの実施(配偶者や家族も可能)など、禁煙を皆で共有し、応援する風土の醸成に努めています。禁煙成功後も、禁煙3ヶ月以降は再喫煙率が高いため、6ヶ月目にアンケートによるヒアリング調査などの継続フォローをおこないます。

(5)「禁煙推進企業コンソーシアム」への参加
エムステージは、2019年11月より禁煙推進企業コンソーシアムへ加盟しています。コンソーシアムは、国の2022 年度の喫煙率目標12%達成に貢献することを掲げ、禁煙推進を強く「宣言」する企業が集まり結成された団体です。定期的に情報交換の機会や、最新の禁煙ノウハウを学ぶ場が提供されているため、効果的な禁煙推進を実施することができます。

(6)非喫煙者に向けた制度
喫煙者に向けた禁煙費用補助制度とバランスを取り、「健康増進達成手当」、「健康増進ボーナス」などの非喫煙者に向けた制度も取り入れています。禁煙のインセンティブを提供することで、禁煙を促す狙いもあります。

――保健師、禁煙指導認定者として、多くの働く喫煙者の支援をされてこられた劉さんにもお伺いします。企業が禁煙を上手く推進するためのポイントはなんでしょうか。

劉さん:ポイントは①喫煙者への個別アプローチ、②専門家や治療薬などの医療的支援の活用、③喫煙者・非喫煙者双方のたばこリテラシー向上です。

(1)喫煙者への個別アプローチ
「禁煙しましょう」といくら伝えても、なかなか禁煙に前向きになれない社員からは手が上がりません。そんな時は、個別のカウンセリングなどを通して“こんなにいい治療があるのでやってみませんか“と打診します。たばこの依存性などの知識を提供することで、禁煙は個人の意思の強さに関係なく難しいものであることや、今は薬を用いて楽に取り組めることなどを伝えて働きかけます。

(2)専門家や治療薬などの医療的支援の活用
禁煙外来や禁煙プログラムでは、対象者の心理的特徴に合わせた支援を行うことで行動変容を引き起こし、やってみようという気持ちを引き出す「動機づけ面接法」という面談手法を用います。気が進まなくても、まずは禁煙外来に行ってみることで専門家による行動変容が期待できます。医療用医薬品の禁煙補助薬は、ニコチン切れのイライラやストレスといった離脱症状を和らげることもできますし、こうしたサポートを受けることで禁煙治療の成功率は7~8割と自己禁煙と比べて2~3倍もアップします。

(3)喫煙者・非喫煙者双方のたばこリテラシー向上
専門家のサポートと合わせて大切なのが、周囲の方からの応援です。
一人では心が折れてしまいそうな時に、周囲の応援があることは禁煙成功の鍵となります。なるべくたくさんの人に禁煙していることを知ってもらい、見守ってもらうと良いでしょう。
応援する雰囲気の醸成に欠かせないのは、喫煙者だけでなく非喫煙者も含めてたばこに関するリテラシーを向上させることです。非喫煙者の中には、たばこは嗜好品という意識を持っている人もいますが、嗜好品ではなく依存性がありやめられないのだという正しい知識を持つことで、喫煙者の禁煙を応援する気持ちが生まれます。

エムステージの取り組みは、こうしたポイントを押さえ、更に徹底した受動喫煙対策や非喫煙者に向けたインセンティブの提供など、より踏み込んだ取り組みがされていると感じます。

ノートパソコンを使っている女性

中程度の精度で自動的に生成された説明

―企業として禁煙推進に取り組む意義について教えてください

劉さん:たばこは日本人の死因第一位である「がん」の最大の危険因子であり、大きな健康被害をもたらす喫煙・受動喫煙対策に力を入れる企業は年々増えています。従業員が健康に働き続けられる環境を整えることで、企業の生産性向上につなげようという「健康経営」は、もはや企業の持続可能性を考える上で不可欠な視点です。

改正健康増進法により「原則室内禁煙」となったことで、職場での受動喫煙対策が不十分であれば、安全配慮義務違反となるリスクも出てきています。禁煙推進には、従業員の健康と生産性向上、企業のリスクマネジメントといった大きな意義があります。その他にも、禁煙推進により「健康を守る」というメッセージを伝えることでの従業員との信頼関係の醸成、企業価値の向上、医療費の抑制という社会課題に貢献することもできます。

――今後の禁煙推進への思いを聞かせてください。

田中さん:禁煙目標として宣言している「2022年の従業員喫煙率10%未満」に向けて、取り組みを加速させていきます。今年は衛生講話での全社員に向けたたばこについての情報提供だけでなく、劉さんと協力して喫煙者を対象としたセミナーの開催や、個別カウンセリングも実施します。
これからも健康に働き続けてもらえるように、「持続可能な医療の未来をつくる」というビジョンの達成に一丸となって取り組めるように、禁煙を推進してまいります。

劉さん:改正健康増進法による企業の意識変化と合わせて、昨年の新型コロナの流行は個人にも改めて喫煙のリスクを知らしめました。新型コロナで亡くなられた著名人が元喫煙者だったとメディアで報道されたこともあり、禁煙指導を受けている方からも“やはり喫煙の害は大きいですね”という声を多く聞きました。

一方で、生活変化のストレスから再喫煙が増えたともいわれています。在宅ワークなどの新しい働き方では、喫煙室をなくしたり、就業時間中禁煙といった取り組みも効きにくくなってしまうため、これからの社会では企業として意志を持って社員の完全禁煙を目指す事がますます重要になってくると考えられます。社員の健康のため、企業の持続可能性のため、そして社会への貢献のために、引き続き社内外の喫煙者に寄り添い、禁煙を推進していきたいと思います。