エムステージが、全国の医療機関に『今後の医療経営に関するアンケート』を実施

医師・医療人材総合サービスを提供する株式会社エムステージ(東京都品川区、代表取締役:杉田雄二)は、2020年9月15日~9月22日の間に、全国の医療機関188院に『今後の医療経営に関するアンケート』調査を実施しました。結果について、医療経営士の田中宏典が解説します。

■調査結果のポイント
・収益状況を2019年10月-2020年3月期と2020年4月-2020年9月期で比較したところ、黒字医療機関の割合が51%から31%まで減少
・今後の打ち手として、「病診連携・診診連携・地域連携の強化」や「経費・固定費の見直し」を検討している。
・医療経営士の田中宏典は、「ウィズコロナ時代、地域での自院の存在価値、存在意義を示していく事がさらに求められます。新型コロナウィルスの影響で地域のニーズが減る領域・減らない領域の見極めと、自院の地域での役割や強みをいかに紐づけられるかが重要になってくるでしょう。」と分析します。

<1>新型コロナ患者の受入・受入準備をおこなった病院は16%でした。
Q.新型コロナ患者の受け入れ状況(病院のみ)

<2>半期収益状況を比較したところ、前半期と比較して新型コロナ後は黒字医療機関の割合が51%から31%まで減少しました。
Q.収益状況の変化について教えてください

<3>今後の患者の受診見通しについては、66%がある程度の受診控えが続くと予想しました。多くの医療機関が、今後も新型コロナウィルスによる患者数の減少を見込んでいます。
Q.今後の患者様の受診見通しを教えてください。

<4>非常勤医師の募集については控える傾向がみられましたが、エッセンシャルワークであり、新型コロナ下においても、常勤医師や看護師の人材募集を続けた医療機関がほとんどでした。
Q.人材募集の状況を教えてください(複数回答可)

エムステージの医師求人サイト『Dr.なび』に寄せられた医師の非常勤求人数も、2020年4月以降は昨対4割程度に落ち込んでおり、医療機関が感染症予防のために不特定多数の出入りを抑制したこと、患者数の減少や経営悪化により勤務を抑えたことが原因となっています。
反対に、エムステージに寄せられた2020年4月-6月期の常勤・非常勤の求職医師の登録数は、昨年同月比1.6-2倍と大幅に増えており、医療機関にとっては採用のチャンスとも言えます。

<5>今後の医療経営の打ち手として、検討が多い項目は「経費・固定費の見直し」、「病診連携・診診連携・地域連携の強化」となりました。地域の要請に応えることに合わせて、費用の見直しを6割近くの医療機関が検討しています。人件費が費用の半分以上を占める医療経営においては、費用の削減を業務効率化と合わせて推進し、人材の効率的な活用体制もつくっていく必要があります。
Q.今後の医療経営で検討している打ち手を教えてください(複数回答可)

<6>打ち手の中で、最も重視している項目としては、3割近くの医療機関が「病診連携・診診連携・地域連携の強化」と回答しました。コロナを経て、今後、医療再編は急速に進むでしょう。地域ニーズに合わせたサービス体制、人材の採用、効率的な運営構築を行い、地域に求められる病院になっていくには、マクロな施策ではなく、自院のポジショニングと病院の形態に合わせたひとつひとつの課題に向き合うことが重要であるといえます。
Q.上記で選択した中で、最も重視している打ち手をひとつ教えてください。

Q.今後の医療経営はどのような点に留意すべきか(フリーコメントより)
■クリニック(地域/202004―202009収益予想)

・収益がどうなるかわからないので、経費を抑えて様子をみる。(関西/赤字予想)
・地域のニーズに応じたサービスを、良好な利益体質で行うこと(中部/黒字予想)
・地域密着、在宅医療、人財採用           (関東/黒字予想)
・病診連携、地域連携の深化、効率化を進め、院内ルーチンワークの自動化を進めるべき(九州/黒字予想)
・職員の働きやすさ(中部/黒字予想)
・「顧客満足度」の推進は、細かな対応に時間を取られ、職員のメンタルヘルスに少なからず害を与える。「職員満足度」へ重きを置くようにして、優秀な人材確保と定着を目指したい。顧客の暴走が目立つようになり、こちらも顧客を選んでいくことが、クレーム対策につながり、業務の効率化を図ることができる。(中部/赤字予想)
・コロナ禍での来院リスクを考慮し、遠隔診療等の取入れを行う。(関東/黒字予想)
・コストを削減し、経営効率を上げる。コロナ感染防止を徹底する。(関西/赤字予想)
・感染対策と受診者増の両立。(中国/赤字予想)
・普通の発熱患者すら受入れていない個人クリニックからの流入を受け入れる。
 感染予防とスタッフの健康状態に気を付けつつ、運営していく。(関西/赤字予想)
・再来患者様の増加。コロナ以降は風邪の患者様が極端に減ったので、専門領域に特化。(九州/赤字予想)
・ひとりの患者さんを大切にする(関東/黒字予想)
・医業ではなく医療に徹する(中部)
・利益率の向上(四国/黒字予想)
・患者様、職員、取引先様、クリニックの4つの均衡した安定で黒字化(関東/赤字予想)

■病院100床未満(地域/202004―202009収益予想)

・患者サービスの向上と、IT化の推進(北海道/黒字予想)
・感染対策を含む安心・安全を兼ね備えた医療提供と継続した医師・看護師の確保と養成。(四国/赤字予想)
・新型コロナ混乱期の買い手市場において医師を筆頭により良い人材を獲得(関東/赤字予想)
・地域連携と在宅医療を担うことができる人材の確保(北海道/黒字予想)
・診療報酬請求チエック機能を確立するため、診療情報管理士等の採用を検討。(関東/赤字予想)
・収入の安定化(入院者の定員確保)、人件費・経費削減(四国/赤字予想)
・病床稼働率の維持(北海道/赤字予想)
・コロナ禍以前からだが、体制整備を含めた人材等を含む医療資源の適切な配分、地域における自院の立ち位置の確立、外部施設との連携強化、その後の立ち回り等は引き続き重要。コロナ禍以降は、激しく変化する世情・地域性にあわせた細かな収益構造の可変が必須となる。エッセンシャルワークにおいて人件費はなくならないもので、削るよりどう使うかが最も重要な課題。(中部/赤字予想)

■病院200床未満(地域/202004―202009収益予想)

・医師の確保(九州/黒字予想)
今後の課題も看護職員の確保。看護職員が確保できれば売り上げも上がる(関東/赤字予想)
医療部門の強化・病棟の再編(九州/赤字予想)
感染対策を徹底した上での病床管理(中部/不明、回答なし)
近隣クリニックからの紹介患者を増やす(関東/赤字予想)
厚生労働省の動向だけでなく、内閣府、経済産業省等の政策動向も注視する必要が出てきている。(九州/黒字予想)
集中と選択(中部/黒字予想)
・人材の充実から医業収益の拡大(関東/赤字予想)
・人材確保(関西/黒字予想)
・地域医療を確立し経営を安定にするため、優秀な医師の採用を目指す。(関西/赤字予想)
・地域のニーズと当院のポジショニングを一致させる(中国/黒字予想)
・地域の信頼を得ること。できる限り患者を断らないこと(四国)
・地域の潜在的ニーズ(北海道/黒字予想)
・地域唯一の公立基幹病院のため、政策的な医療も含め医療サービスの向上に努め、一定の地域完結を目指しながら効率的な経営を目指していく。(北海道/赤字予想)
・地域連携による紹介入院及び外来からの入院の増(東北/赤字予想)
・設備投資の平均化(中国/黒字予想)

■病院300床未満(地域/202004―202009収益予想)

・ コロナ等に対応しながら今までには無い業務の効率化を考えた医療経営(北海道/赤字予想)
入院・外来共に患者確保第一(四国/黒字予想)
経営戦略とマーケティングと人事戦略の体系的運用(九州/赤字予想)
選択と集中による地域医療の充実(九州/赤字予想)
・地域での役割分担(中部/赤字予想)
医療の質を担保し、地域から信頼される病院としてのポジションを確立(北海道/赤字予想)

■病院300床以上(地域/202004―202009収益予想)

・感染対策の強化による受診環境の向上(関東/赤字予想)
・人材が育成できる組織風土の醸成(関東/不明、回答なし)
・地域に根差した病院本来の役割の徹底(四国/不明、回答なし)
・地域要求に応えられる医師はじめとした人材の確保とそれに応じた設備(九州/赤字予想)
・コロナ対策を基準とした医療サービスの拡充、それを軸とした強みを全面にだすことで、黒字体質となる基盤を整備する。(関東/赤字予想)
・病院の自力強化(ブランドの確立)と医療の質の更なる向上(関西/黒字予想 )

■医療機関の概要(188)

■調査概要
今後の医療経営に関するアンケート
アンケート実施期間:2020/9/15~2020/9/22
有効回答数:188
対象者:「Dr.なび」会員医療機関の経営者、医事課担当者
回答方法:インターネット調査(会員医療機関へメールにて回答フォームを送信)

■解説者紹介
株式会社エムステージマネジメントソリューションズ 代表取締役
株式会社エムステージ MHR事業部 事業部長
医療経営士1級 田中 宏典(たなか こうすけ)

2006年株式会社エムステージに入社し、医療機関の採用支援に携わる。
2016年医師人材紹介部 部長、2020年より医療人材総合サービス事業を行うMHR事業部 事業部長を歴任。2019年10月よりグループ会社の代表取締役を兼務。医療経営・事業継承支援事業をおこなう。

■エムステージグループについて

https://www.mstage-corp.jp/
「すべては持続可能な医療の未来をつくるために」をミッションに、産業保健・医療人材・医療経営の3つの領域から医療課題の解決を図っています。ベストベンチャー連続選出。HRチャレンジ大賞 イノベーション賞受賞。
2003年、医師の求職を支援する「Dr.転職なび」「Dr.アルなび」を提供開始。医師の柔軟な働き方を切り開き、医療機関の採用課題を解決しています。2016年からは産業医・産業保健師を軸とした企業向け健康支援サービス「産業保健サポート」を開始。利用事業所数1200件を突破(2020年6月現在)。働く人の健康に寄与し、予防医療の観点から医療費の削減に貢献しています。

<取材に関するお問い合わせ>ご取材大歓迎です
株式会社エムステージホールディングス  広報:武田
TEL: 03-6867-1170/FAX: 03-6867-1171/MAIL: t.takeda@mstage-corp.jp

商号 : 株式会社エムステージ
代表者 : 代表取締役 杉田 雄二
設立 : 2003 年 5 月
資本金 : 6,250 万円
所在地 : 〒141 ー 6005 東京都品川区大崎 2-1-1 ThinkPark Tower5階
事業内容: 企業向け産業医・産業保健サービス、医師・医療人材総合サービス、医療機関向け採用支援